コピペがなくなる世界への墓標

オリジナルはどこに行くのかを巡る備忘録的つぶやき

ネットの記事は粗悪量産されるしかないのか

医療系サイト「WELQ(ウェルク)」をはじめDeNA(ディー・エヌ・エー)が運営するまとめサイトで不正確な記事や著作権無視の転用が次々と見つかり、休止に追い込まれた。

 他社のサイトでも、正確性を欠いたり、無断転用されたりした記事が見つかり、対応に追われるなど、波紋が広がっている。背景には「広告至上主義」「検索サイトの上位表示テクニック」の問題がある。

www.yomiuri.co.jp

 

ネット上の記事はただにしか思えない幻想

 当分は年末に起きたWELQ問題を中心にネットのサイト引用の問題を考えていきながら、コピペの問題を取りあげることにします。

 でも、コピペの問題というのは情報リテラシーという美しい言葉ではどうにもならないもので、山本一郎のこの記事がすべてのような気がするんですよね。

 

問題の核心は、やはりウェブメディアの品質問題って私たちが思っている以上に深刻なんだということです。

どんなにコピペ記事の品質が低い、DeNAのビジネスはけしからんと既存のウェブメディアが拳を振り上げたところで、この問題が起きるまでは、日本にあるあらゆるウェブメディアよりもDeNA Paletteの仕組みは収益性が高く、多くのユーザーに読まれていました。その中でも、画像が無断利用されたうえに記事の品質が低いにもかかわらずMERYが飛び抜けて収益性が高かったのは理由があります。SEOだけでなく相応のリピート読者を獲得し、広告代理店がしっかりとついて多くのクライアントが広告を出稿していたからです。読者がたくさんいて、広告を出しても買われるから、広告が出続けるんですよ、品質の低い記事でも。

真面目に取材し、記事を執筆し、画像を選び抜いた記事よりも、ネット上のつぶやきや引用、取りまとめをして簡単な編集をしただけの記事の方が読まれているという現実は、DeNAを叩くよりも前に各ウェブメディアが胸に手を当てて真摯に反省するべきところではないかと思います。

 

news.yahoo.co.jp

 粗悪量産される2次情報3次情報のほうがSEOというアルゴリズムの化け物やバックにある企業の支えによって検索の上位に来てしまった悲劇がこの事件にはあるんですね。

そこにコピペの問題の本質を持ち出すと「WELQ以前に医療関係者だった人やこれから医療関係者になる人以外は医療記事を書いてはいけない」という言論の閉塞に繋がるような気がするんですよね。

もちろん一次情報ソースの丸パクリは犯罪ですが、ここで「どこまで編成のパクリと引用の境界があるのか」に関しては、WELQ記事最大の問題点である「SEO狙いで2次3次情報アフィエイトを狙う情報産業のライター雇用問題」で過敏になるパクリ基準が響いてきてるんですよ。

低賃金でライティングの仕事はちょろいのか?

もちろん、可能性としては、私の記事が医学的に完璧な内容であることもゼロではないのだが。

冗談はさておき、私の見立てでは、welqの人たちは「参考サイトを見ていない」というレベルではなく、「参考サイトを解読できない」レベルだと思う。

繰り返しになるが、私がそう思うのは、医学的な見地に立った修正指示や疑義照会が、1度たりともなかったからである。

cwhihyou.exblog.jp

 

WELQのライターの要求水準は細かくマニュアル化されていて、文章の書き換えにすらも一定のマニュアルがあります。

しかも文章の内容はノーチェックで、どうやって検索の上位に行くのかまるで検索エンジンのご機嫌を伺うための文章作りです。

そして1次情報サイトにコピペや無断引用がばれないように、巧妙にコピペチェックを掛けて少しでも検索サイトに重複サイトと見られないように、こそこそとチェックしてるわけです。ここでも検索エンジンか!

 

何故検索エンジン信仰があるかというと、少しでもたくさんの人に見て貰わないと原則的にネットのアフィリエイトにお金は入ってこないから、いくら高尚な内容の文献でも余り見られないサイトだともらえるお金は少ないのです。

珠に上位に優秀なコンテンツが挙がっていることもありますが、大抵は元々信頼関係を結んでいて前金でそれなりの料金を貰っていることが多いです。そういうサイト達は元々後から貰えるアフィリエイトの募金に近いお金にはそんなに興味がないのです。

 

それでも後から参入したとしても、もし少しでもサイトの内容に少しでも興味があったり…いや本来なら、ライティング以外のWEB制作関係者でなくても一応一通りはサイトの内容くらい頭に入れて欲しいと思うんですよね。

ちょっとチェックの問題に厳しい立場を持つべきだと考えるディレクターがいるならば、最悪リライト担当のポジジョンに知識の有るひと監修を立てるシステムを先に組んでしまうべきだと思うのです。

実際、紙媒体は「校正」というポジションの職業がその誤字脱字だけでなくリライトあたりまで委託してフォローしているのですが、金があまりないWEB媒体では同様のシステムを持つ専門業者は今のところあまりない…はず。

実はすでにあるのかもしんないけど、最近引きこもりだからWEB事情がわからない…

結局上層部がインターネットをどう思っているかが問題

さらにWELQの場合は、そんなWEB媒体の裏事情をしらない広告代理店(知ってて組んでいたら嫌だなあ…)がわっしょいわっしょい!と邪悪なディレクターのノリに乗っちゃった…というのが問題だというわけです。

正直経歴見てもインターネットの場を金儲け会場しか考えてない人だなあ、とは思いますがこういう人は今でも割と居るわけで。

そんな人がいるうちは、どうしてもネットの記事の粗悪量産は避けられないのかなと思います。

もともとインターネットは情報のデータベースとして作られた世界。ただ今ではそれがまさにビックデータの領域に来ていて、色んな方面で個人にとっても社会にとっても役に立っている部分が強くなくてはならないインフラになっています。

ぼちぼちインターネットを昔のような価値の世界に戻して欲しいと思うのですが、まだまだ難しいのでしょうね。

新装開店への独り言

はじめまして。

というより懐かしい気がします、はてなという世界。

実は昔「引用とつっこみだけで成立するブログ」をやっていました。

d.hatena.ne.jp

 

始めたのが2004年で、5年くらいやったところで、2010年位にはてなのクラックにハマってしまい更新不能になってしまいそのままフェードアウトしていました。

まあ、半分twitterに発言のエネルギーが流れちゃったのでしょうがないといえばしょうがないです。

 

で、なんで急にはてなに戻ってきたかというと。

この記事というか2014年あたりから「ネット上のコンテンツのコピー禁止問題」というのが表面化して段々引用というのが苦しい時代になってきたので、どこまで引用として認められるのか、ラインが決まるまで延々と考察しようかなと思いまして、一時的に帰ってきた感じなのです。

月並みですが、よろしくお願いします。